区画整理や道路整備で建物を建て替える時、留意点を教えてください。
個々の住宅や店を建て替えるには、建物の機能やデザイン、性能について設計事務所や工務店などの専門家に相談し、納得のいくよう造ることが基本です。
しかし、区画整理や道路整備で建て替えられる建物は1軒や2軒ではなく、地域、地区全体に 影響を及ぼしている場合がほとんどと考えられます。通りや商店街には固有の歴史があり、思い出があり、それが地域の個性やアイディンティティーになっているのです。
区画整理は道が広がり、ライフラインが整備され、生活の向上のためには必要な事業でしょう。しかし、将来的に子や孫たちの生活にまで影響を及ぼしてゆく大変革事業であるという認識を持つことが重要と考えます。したがって個々だけの建て替え で済まさず、街並みの創造を行うために近所の住人、自治会、区、市(県道や国道が 関係すれば、県や国)の関係者、専門家を交え『私たちの街に大切なのは何か、そし てどのような生活空間や街並みにすべきなのか』を協議しましょう。
地域、地区、そして通りの皆さんと一緒に建築協定、緑化協定等をつくり、歩道の仕上げの材料や色、外灯のデザイン、インフォメーションやアメニティーなどのパブリック空間を提案し個々のスペースと合わせて、納得した街づくりを進めてゆくことが大切です。役所で は意外とこのような申し出に対応してくれるはずです。
『月刊ぷらざ2001年10月号掲載』回答:萩原渉 (JIA会員)
6 月 13, 2005 カテゴリー: 家づくり全般 | Permalink
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